2005/05/27

戦争に思いを馳せて

今でこそあまり読書をしなくなってしまいましたが、学生時代はよく本を読みました。うんと幼い頃は別として、読んだ本といったらミステリーか歴史小説なんですけどね。このブログでも愛読書の話をしようしようと思っていて、つい失念しておりました。

今年は日露戦争100周年の年。ちょうど100年前の今日1905年5月27日は、日本の連合艦隊がロシア帝国のバルチック艦隊を撃破した歴史的な日です。この海戦は日本海海戦と呼ばれ、日本が大勝利を収めたことでロシア軍の戦意を喪失させ、講和条約締結への最大の要因となったことで有名です。

日露戦争に関しては、司馬遼太郎氏の「坂の上の雲」を全巻読破し、非常に感銘を受けましたので、またの機会にぜひピックアップしたいと思います。「坂の上の雲」はNHKスペシャル大河ドラマとして、2007年以降の放送を目指しているそうですが、これはロケやセットの準備が大変でしょうねぇ。放送されたら、私絶対欠かさず見ますよ!

そして奇しくもこの日に、フィリピンのミンダナオ島で太平洋戦争時の旧日本兵の方が相次いで見つかったというじゃないですか!最近悲惨なニュースが多く、よほどのことでない限り驚かなくなってしまった自分が悲しいのですが、さすがにこのニュースを朝テレビで知った時には奇声を発してしまいました。

太平洋戦争も後半の1944年(昭和19年)にはサイパン島・グアム島などで日本軍の玉砕が相次ぎ、東条内閣が総辞職に追い込まれ、南方戦線では文字通り血で血を洗う悲惨な戦いが繰り広げられていました。フィリピンのレイテ沖海戦では、戦艦大和の姉妹艦武蔵がほとんど戦うことなく撃沈され、大敗北を喫して、戦争はどんどん泥沼化していきます。ミンダナオ島に派遣された師団については覚えていませんでしたが、確かに険しい山とジャングルに囲まれた地域に隠れ住んでいた方がいらしても不思議ではありません。ただ、その方たちが今までに過ごしたつらい年月を思うと、何ともいたたまれない思いです。

太平洋戦争については、山岡荘八氏の「小説太平洋戦争」を全巻読みました。社会人になりたてのOL時代、電車の中でこの本を読んでいて涙が止まらなくなって困ったことを良く覚えていますよ・・この小説を読むと、アメリカが自国の繁栄のために、いかに卑劣な外交を行って、当時戦争に反対していた日本を戦争に追い込んだかが手に取るように分かって青筋が立ちます。

今日は久しぶりに歴史小説への情熱を思い出し、戦争がどんなに悲惨なものかを再認識してしまった次第です。

11:44 | デイリーライフ> 雑記 | | コメント (4) | トラックバック (1)
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比ミンダナオ島に日本兵 from おもしろスポット日記 [2005/05/29 10:28]
1972年に、米グアム島の観光ホテルも近いジャングルで日本兵の横井庄一さんが終戦後28年もして発見された。また2年後、1974年には、比(フィリピン)ルパング島で、やはりジャングルに潜んでいた小野田寛郎さんが30年ぶりに救出された。それからでも、もう31年が経った。 今回は、従軍何年かは分りませんが、終戦60年にもなる。「お国のために死ぬ。と日の丸の波で送り出された、神の軍隊の子供達であった。」...
COMMENTS
Kirappy [2005/09/03 22:57]

▼ささやんさん
再びコメントありがとうございます。

>過去の積み重ねのうえにわれわれはいるのですから
同感です。歴史にはいろいろな知恵や思想が詰まっていますよね。戦争そのものには反対ですが、戦争によっていろいろな技術が発達してきたことも事実です。インターネットもその一つですし・・

>本格的に習ったことはなく、ほとんど独学です
すごいです!ピアノは精神にも脳にも良いそうなので、ぜひお続けになってくださいね。私は幼稚園から習っていたのですが、今は弾く機会が減ってしまっているのが現状でとても悲しいのです。

クラシックお好きなのですね〜、私は近代ってあまり聞かないんですけど、ショスタコービッチは聴きだしたらハマリそうです(笑)
ロシア(旧ソ連も含め)の作曲家って独特でいいですよね。私はチャイコフスキーが好きなんですけど、ピアノ曲は技術的にも独特なので、ロマン派ならやはりショパンなどが弾きやすいかもしれません。

クラシック関連記事もたまに書きたいと思ってますので、こちらこそよろしくお願いしますm(_ _)m

ささやん [2005/09/03 21:39]

ありがとうございます。
これからも日本人として、過去の日本人の行動や築き上げてきたものをしっかり考えていきたいと思います。その過去の積み重ねのうえにわれわれはいるのですから。

ところでkirappyさんはピアノを弾くということですが、私も趣味でやっております。但し本格的に習ったことはなく、ほとんど独学です。
坂本龍一や久石譲から童謡、唱歌、クラシックまで易しいものが中心です。またクラシック音楽も子どものときより聴いており、最近はショスタコービッチをよく聞いております。

またよろしくお願いします。

Kirappy [2005/09/03 09:12]

▼ささやんさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
記事がお目に留まって光栄です!歴史、特に戦争というのは教科書の丸暗記だけでは決して理解できないほど、深いですよね。「小説太平洋戦争」に出会わなければ、大事な事を見落とすところでした。

>日本の歴史教育にはこの世界史的な視点がかけていると思います
えぇ、本当に、おっしゃる通りだと思います。鎖国中までは日本史・世界史が別でも良いと思うんですが、その後を分けてしまうのはおかしいですよ。

>kirappyさんの涙が止まらなかったこと、米国への憤怒
凄惨な南方戦線から沖縄戦・特攻隊のシーンなど、後半は涙無しでは読めませんでした。確か数年前に真珠湾攻撃はアメリカ側に全て漏れていた、という説が浮上したんですよね。でもルーズベルト大統領はそれを米国内の反戦世論を覆すために利用した・・とか。ハルノートの一件もそうですけど、悪魔のように狡猾な国です。

>ちなみに「亡国のイージス」も読みました
映画を見てから原作を読んだのですが、とにかく人物描写がすごいですよね・・映画だけではとうてい深い解釈まで分からないです(苦笑)

>佐々木譲の北海道シリーズ
>「五稜郭残党伝」「北辰群盗録」
これは初めて聞きました。お恥ずかしながら北海道の歴史って限りなく無知に近いかもしれません。機会があればぜひ読書三昧したいものです。おすすめ、ありがとうございました。

ささやん [2005/09/02 23:09]

突然書き込みをいたします。
昭和40年代生まれで戦争のことは教科書や書籍、映像からしかわからない世代です。学生時代は教科書でしか日本の戦争のことは知りませんでした。
大学時代この「小説太平洋戦争」を何気なく読み始め、初めて日本の戦争の世界史的な視点に触れ、夢中になって読みました。特に最後の昭和天皇の「聖断」には感動しました。
日本の歴史教育にはこの世界史的な視点がかけていると思います。
それ以来日本の近代史に興味を持ちさまざまな本を読んでいます。
kirappyさんの涙が止まらなかったこと、米国への憤怒、共感します。

今「小説太平洋戦争」を久しぶりに読み返しているところで、たまたまこのブログを見て、書き込みをした次第です。

ちなみに「亡国のイージス」も読みました。
歴史モノでは佐々木譲の北海道シリーズが好きです。
「五稜郭残党伝」「北辰群盗録」など、一度読んでみてはいかがでしょう。

それでは失礼しました。

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ありがとうございましたm(_ _)m




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