2005/08/04

「亡国のイージス」を観てきました

7/30ロードショーとなった映画「亡国のイージス」を観てきました。この映画の原作は福井晴敏氏の同名小説で、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞、大藪春彦賞の三賞を受賞した人気の海洋冒険小説です。少し前に公開された「ローレライ」も福井氏の「終戦のローレライ」が映画化されたもので、とても観たかったのに行けなかったので、今回は何があっても観に行くぞと心に誓っておりました。例によって公開直後のレディースデイ狙いというお得意パターンで。

感想は、もう素晴らしいとしか言いようがないです。史上初めてとなる海上・航空自衛隊の全面協力の下、海の上の壮大なセットと一流役者が繰り広げる迫真の演技には、一瞬たりとも目が離せませんでした。銃での撃ち合いなど目を背けたくなるような血生臭いシーンもありましたが、そこに人間の葛藤が絡んでいるので、単に残虐さだけを強調したシーンというわけではないのです。シリアスなストーリーですが、真田広之さんの人間味溢れる役作りがとても微笑ましくも感じました。

ストーリーは公式サイトに掲載されていますし、日本推理作家協会賞を受賞しただけあってミステリー要素も強い作品ですからあまり触れないでおこうと思います。

ほんの概略をお伝えすると、最新鋭の設備を搭載したイージス艦と呼ばれる自衛隊の護衛艦いそかぜが北朝鮮工作員(注)によって占拠されてしまうのです。日本は周知の通り、専守防衛の国。実戦など体験したことのない味方の護衛艦に「よく見ろ、日本人。これが戦争だ。」と容赦もなくハープーンミサイルを発射するいそかぜ。そして、米軍が開発したグソーという化学兵器の照準が東京に向けられ、無理な要求を突きつけられます。

(注)私は北朝鮮と信じて疑わなかったのですが、他のブログを見てみると昨今の政治的問題で伏せられていたというのが正しいらしいですね。そういえば具体的な国名は出てこなかったかも・・でもエンドロールにはハングル語のお名前があったし、間違いありません。

敵味方に分かれたかのように見える登場人物ですが、それぞれ複雑な過去を背負っていて・・あぁ、この先を言うとちょっとネタバレしてしまうのでやめておきましょう。

この映画を観た後、猛烈に原作が読みたくなり、久しぶりに本屋さんで「亡国のイージス(上)」「亡国のイージス(下)」をセットで購入してしまいました。雑誌などはよく買いますが、文庫本を買ったのはいつ以来になるんだろう・・ミステリーも歴史(戦争)モノも好きな私にとっては、まさに心を揺さぶられる作品ですから、読むのが非常に楽しみです。作品自体は耳にしたことがあったので、もっと早くに読んでおけば良かった・・

戦後60年の終戦記念日を目前にして、戦争と平和、そして私たち人間が一人一人どのように生きていけばいいのかを考えさせられる、最高の作品に出会えたことに感謝したいと思います。

映画「亡国のイージス」オフィシャルサイトはこちら

12:56 | エンターテイメント> 映画 | | コメント (0) | トラックバック (1)
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亡国のイージス ヘナチョコ自衛隊全面協力のヘナチョコ映画 from Blog・キネマ文化論 [2005/08/05 11:05]
●亡国のイージスをTOHOシネマ浜松にて鑑賞。 ある日、東京湾沖で訓練航海中のイ
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ありがとうございましたm(_ _)m




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