2005/09/20

「名探偵コナン」を語る -工藤新一の信念-

昨夜は名探偵コナンの放送がなくて寂しい限りでした。予告していたくせに一日遅れてしまいましたけど、今回語ってみたいテーマは工藤新一(=江戸川コナン)の信念について。今までのセリフの中から新一をよく表している言葉などをご紹介しながら探っていきたいと思います。

※このコーナーでは登場人物をシンプルに呼び捨てで書くと以前宣言したのですが、「新一」は正直言ってかなり違和感が・・作品中でも呼び捨てにしているのは蘭と阿笠博士と父の優作くらいですからね。あ、小五郎もたまに呼ぶかな、普段は「探偵坊主」なんですけど。平次は「工藤!」ですし・・ と、とにかく頑張ります(汗)

▽信念その1:殺人は絶対に許さない
まず筆頭に挙げたいのは、子供の視聴者には道徳上良くないとも言えるミステリー番組が、ここまで長続きしている大きな理由であると私が常々思っていること。それは「どんな理由があっても殺人は許さない」という新一の、と言うより恐らくは作者である青山氏の信念です。眠りの小五郎を通したコナンや目暮警部も同様の主旨のセリフをよく言っていますので、この物語の大きなテーマの一つと考えていいでしょう。

「たとえどんなにつらく悲しい事があったとしても、麻薬と殺人はやっちゃならねえ反則・・みっともねえレッドカードだよ・・」
→『大阪“3つのK”事件』より、ヨーロッパの鉄の砦と謳われた憧れのサッカー選手に苦渋の思いで告げたコナンのセリフ。(ネタバレですね、ごめんなさい。)かなりキザなんですけどね、サッカー青年らしい比喩を交えながら、まさに新一の信念が存分に表現された言葉だと、非常に感動しました。上記のセリフは日本語のテロップを写したもので、実際高山みなみさんはこれを全て英語で言っています。三つに分かれた文章の真ん中部分の耳コピーは「Drugs and murder are foul without any excuse.」でした。

「人が人を殺す動機なんて知ったこっちゃねえが、人が人を助ける理由に論理的な思考は存在しねえだろ?」
→『工藤新一NYの事件』より、倒れた蘭を抱えながら、通り魔に化けたベルモットに向けて発した新一本人のセリフです。新一と蘭のおかげで一命をとりとめたベルモット。後に彼女の胸を貫いたことが判明したこのセリフ、何回聞いてもカッコいい!

「犯人を推理で追い詰めて、みすみす自殺させちまう探偵は、殺人者と変わらねえよ。」
→『名家連続変死事件』より、切なすぎる犯人の動機に「あのまま死なせてやった方が・・」と呟いた服部平次に言い放ったコナンのセリフ。コナンは以前一度だけ犯人を自殺させてしまったことがあり(『ピアノソナタ「月光」殺人事件』)、それをずっと悔やんでいるのです。探偵は人の命をも左右してしまう危険を孕んでいるのですね。


▽信念その2:真実はいつも一つ
名探偵コナンのキャッチフレーズと言えば、「真実はいつも一つ」を挙げる方が最も多いのでしょう。どんなに複雑に絡み合った事件でも必ず真相があるわけで、それを解きほぐしていく頭脳は新一の最大の武器です。

「推理に勝ったも負けたも上も下もねえよ。だってよ、真実はいつもたった一つしかねえんだからな。」
→『外交官殺人事件』より、お前の推理の方が一枚上や、と敗北宣言をする初登場の平次に、新一の体に戻った副作用の苦痛に顔を歪めながら必死に絞り出した新一の名セリフ。犯人のフェイクに引っ掛かってしまった平次はこの言葉を聞いてハッとし、新一との勝負にこだわり過ぎていた自分を認めました。この後、東西高校生名探偵の真実を求める長い旅はまだまだ続いていくのです。

「今からお前に見せてやるよ、真実ってやつを・・この世に解けない謎なんて塵一つもねえってことをな!」
→『黒の組織から来た女 大学教授殺人事件』より、これは事故だから早く帰ろうと促す灰原に言い放ったコナンのセリフ。実際にはコナンと新一の声がはもって、新一の顔がコナンの後ろに浮かぶんですけどね。いやいや、相当キザだけどこのシーンで完璧に新一に惚れちゃいました。ハイ、見せてください・・って感じですよ(笑)
この後、そんなトリックは机上の空論よ、と言った強気な灰原が、新一の推理力に驚愕して涙したほど(泣いた理由は別にあるんですけど)灰原にとっても衝撃的だったようです。

「不可能なものを除外していって、残ったものが、たとえどんなに信じられなくても、それが真相なんだ。」
→『そして人魚はいなくなった』より、そんな推理は信じないと言い張る平次に向かって言ったセリフ。このセリフは、『コンビニの落とし穴』でも蘭による回想シーンがあり、そばにいたジョディ先生が英語で
「When you have eliminated the impossible, whatever remains, however improbable, must be the truth.」と発言している通り、元はシャーロック・ホームズで登場した名セリフのようです。うーん、さすがに深い言葉ですね。


何だか名セリフ集みたいになってしまいましたが、どれも新一の信念を表す素晴らしい言葉だと思っています。ここに挙げたもの以外にも同じような主旨の言葉がたくさんあって到底全部は並べられませんから、私の印象に残っているものをチョイスしてみました。本当は性格も分析しようと思っていたんです。しかしながら、思いのほか長くなりそうなので「工藤新一の性格」についてはまたの機会に、印象深い名セリフと共にご紹介したいと思います。


【この記事に登場した作品紹介】
作品名後ろの( )内の数字はビデオの巻数です。DVDではありませんのでご注意ください。本当はDVDの収録作品を調べたいのですが、最初の頃の作品はDVD化されていないようなんです。ビデオは実際にレンタルしてるので分かるんですが・・

第11話 ピアノソナタ「月光」殺人事件(1-4)
第48〜49話 外交官殺人事件(2-7)
第77〜78話 名家連続変死事件(3-9)
第129話 黒の組織から来た女 大学教授殺人事件(5-8)
第222〜224話 そして人魚はいなくなった(9-2)
第238〜239話 大阪“3つのK”事件(9-8)
第286〜288話 工藤新一NYの事件(11-1)
第343〜344話 コンビニの落とし穴(12-7)

10:34 | 名探偵コナン> 考察&雑談 | | コメント (0) | トラックバック (0)
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ありがとうございましたm(_ _)m




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