STEP by STEP

昨日の夕方テレビを点けたら、ライブドア本社に証券取引法違反の疑いで強制捜査が入るらしいというニュースを盛大にやっておりました。その後しばらくして、日が暮れた六本木ヒルズの入口に東京地検特捜部のメンバーが到着し、この大騒ぎが始まったわけです。証券取引法違反といっても一体どんな容疑なのか最初は全く分からなかったのですが、テレビやネットのニュースをいろいろ見てみたら具体的な疑いは、風説の流布、そして偽計取引と判明。

子会社ライブドアマーケティングが2004年に小さな出版会社を買収したと発表しましたが、発表時には実質的にライブドア本体の子会社だったため、新たに買収したように見せかけて株価をつり上げたことになってしまう…これが風説の流布。偽計取引の方は書類上で金額を水増したということらしいのですが、正直言って特捜部が動くにはもっと何か別の理由があるのではないかと思ってしまいます。

日本の株式関連の法律には穴があって、実際に法に触れないありとあらゆる手段を使ってきたと以前から堀江社長が発言をしています。ライブドアが急成長を遂げた裏には株式分割など従来の常識を超える手法があって、それが最近ヒルズ族をはじめとする新興企業にまん延しだしているそうですから、一種の見せしめも兼ねているのではないかな…というのは単なる私の推測ですけどね。それ以外にももっと大掛かりなカラクリを見抜いている可能性があるので、今後の捜査に注目が集まりそうです。

民放各局の報道の仕方も非常に興味深く、業務提携をしているフジテレビは当然柔らかい姿勢。逆にテレビ朝日は、元々強引過ぎる手法を使ってきたことを強調し、ここぞとばかりに攻撃しているように見えます。疑いが事実なら堀江社長が関与していた可能性は限りなく高いですから、メディアと縁が深いホリエモンが今後どういう弁論を展開するのか、こちらも注目されそうです。堀江社長、今朝の記者会見では落ち着いていましたね。状況説明や関係者へのお詫びなど、口調や説明内容もはっきりしており、視聴者は「さすがにメディア慣れしているなぁ」という印象を受けたのではないでしょうか。それに多分、根が正直な人なんですよね、堀江社長って。

強制捜査ではメールサーバーまで押収されたそうです。相手はIT企業ですから特捜部もそれなりの装備をしているのでしょう…世間で言うところのシステムエンジニアやネットワークエンジニアなど、超一級のスゴ腕の技術者が派遣されているのではないかな。特捜に目をつけられたら逃れられないぞ。東京地検特捜部、かなり憧れてたりして（笑）。

株式市場で繰り広げられた経営のテクニックが犯罪になるのかどうか、興味を持っている方はたくさんいると思います。経営のあり方そのものにも影響を与えそうな今回の事件、一体どんな結末が待っているのでしょうか。