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本編は2時間弱でサスペンスとしてはちょうど良い長さ。冒頭部分、飛行機に搭乗する前から既にヒロインを取り巻く謎が始まっているので、最初から気合を入れて観た方が良いです。映像は終始、無機質でシャープなイメージで統一されていて美しかったなぁ。出てくる飛行機もめちゃめちゃカッコいいんですよ。国際線に乗る機会があまりないので分からないんですけど、あんなに洗練された飛行機って実際にあるの？？らせん階段にラウンジ、まるでどこかの高級オフィスビルのようでした。

テレビCMでも流れてましたが、少女が窓に描いたハートが重要な意味を持ってくるんです。ヒロインが自分の描く線との太さの違いに気付いて、疑惑と失意のどん底から正気に引き戻されるシーンがすごく印象的で良かった！この映画の根底にあるのは「母親の愛」なんでしょうね。守るべきものがある人の強さには感動させられてしまいます。

難を言えば、ヒロインの家族についての設定が残酷すぎることと、ラストの犯人の扱い方でしょうかね…。犯人の扱いについては、航空設計士であるヒロインの知識を際立たせるためなのでしょうが、正直「あ、そこでそうしちゃうの？」って思いました。まあフィクションだから、これでいいのかな。あとはアラブ人ですよ…。最後に一言気の利いた言葉でもかければ演出的にも良かったのに、このへんアメリカの傲慢さというか偏見が出ていると痛感しました。

ジョディ・フォスターはさすがアカデミー賞女優の貫禄ですねぇ。彼女が出てこないシーンってほとんどないですから、これを一人で演じ切るのは相当な実力。まさにサスペンスの女王ですが、意外にもジョディの映画を観るのはこれが初めてかもしれません。重たくて怖い映画が多いから敬遠していたのかも。ミステリー要素は大好きだけど、心理的に怖くない映画を選んで見てますからね、私って（苦笑）。

今月から来月にかけて怒涛のロードショーで、観たい作品がいっぱいあるんです。とても全部は観に行けないので厳選しないといけないんですが、この選考は非常に難しい…。とりあえず『ナルニア国物語』は原作を読んでいるので絶対観たいし、新しい声優陣でリメイクされる『のび太の恐竜2006』も観たいし、あとは今やってる『ミュンヘン』も観たいし、『サウンド・オブ・サンダー』も観たいし。だめだこりゃ、ナルニアはほぼ100％観に行くと思いますが、あとは未定だな。