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映画を観ながら終始思ったのは、ナウシカから始まったジブリの作品がいかにこの『ゲド戦記』の影響を受けていたかということ。登場人物の服装や雰囲気が『風の谷のナウシカ』にそっくり（意図的なのかな？）だと思った人は多いはずですし、『千と千尋の神隠し』で使われている筋書きにも大変よく似てるんですよ。今まで宮崎駿氏はこの作品からたくさんのヒントを得ていたのかもしれません。

賛否両論あるみたいですけど、私はとてもいい映画だと思いました。最近のジブリ作品のようなテンポの良さはないものの、じっくり腰をすえて展開を楽しみながら観れる作品なのではないかな。ただ、ストーリーが不完全に感じてしまうのは、長い『ゲド戦記』の最終章だけを映画化したからなのでしょう。ハイタカが大賢人となったいきさつやクモとの確執が描かれていないので、少々説明不足な印象を受けるのも確か。

心配していた声優陣、今回は減点ポイントが多いです。名指しですみませんが、アレンとテルーとテナーがちょっと…。落ち着いたシーンが多いのためか勢いで覆い隠すことができず、力量がもろに出てしまってました。その点、一昨年ハウルを演じたキムタクは運がいいかも。特にアレンの岡田くん、演技力うんぬんより声質が合ってなくてミスキャストかなぁと個人的には思います。もう少し影のある細い声の方が良かったような。あくまでも私個人の感想なので、違うご意見も多々あると思いますけどね。

おっと、辛口コメントが続いてしまいましたが、全体的な世界観、街並みや人物などの描写、そして音楽は素晴らしかった！なんだか昔のナウシカに戻ったような感じがしますねぇ。テーマが抽象的なので、アレンの心の闇って何だろうとか、昔ハイタカとクモの間でどんな戦いがあったんだろうとか、想像しながら観ると面白いです。

そして、やはり最終章を使っただけあってラストがとても良かったんですよ。思いっきり泣いちゃいました。これから観に行かれる方は、ぜひスタジオジブリのサイトをちらっと見てみてください。より感動が増すかも！？

宮崎吾朗氏の才能とか実力については、正直なところ私はよく分かりません。ジブリ内で相当もめたらしいことも知っていますが、それも作品を鑑賞する側にはあまり関係のないことです。確かなのは、映画を観て感動したということと、もう一度観たいなと思ったこと。実は、ここ最近のジブリ映画って何回も観る気になれないんですよ。ナウシカとかラピュタは数え切れないほど観てるのに。そういう意味でも、素晴らしい原作とジブリの高い技術が一体となった素敵な作品なんじゃないでしょうか。

あとファンタジーはアニメーションの方が個人的には好きかも。空想の世界を実写で表すのは難しいです。人それぞれイメージが違いますからね。

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スタジオジブリ・プロデュース 「ゲド戦記歌集」

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