2006/08/15

終戦の日と愛読書

今日は61回目の終戦記念日。朝から小泉首相が靖国神社に参拝したことがニュースになっていますが、事の是非は別にして、最後まで公約を守ったことは評価できるのではないでしょうか。国外はもとより国内でも賛否両論ある総理大臣の靖国参拝、私としても自分なりの持論があります。ただ、こういう思想はあまり公にしたくないため、ブログのトピックとして取り上げるのは難しく、今後もはっきりした意見を書くことはないと思いますけど。

さて、6月後半に沖縄戦の終結日が報道される頃から、毎年どうしても読みたくなる本があります。以前も話題に出たことがあるかもしれませんが、山岡荘八氏の「小説太平洋戦争」という文庫全9巻の歴史小説で、これまでに何回も読み返している愛読書の一つ。日本が戦争に巻き込まれていった経緯、緒戦の大勝利から中盤での挫折、そして後半の玉砕戦まで、報道班員として従軍した作者によって克明に綴られている小説です。

殺人という平時最大の悪業が、殺し合う人々の間には直接何の恩怨もないというのに、国家の名で堂々と行われる。その殺人の量が功績となり、忠誠心を計るバロメーターになって勝利者が決まってゆく……というような不思議なルールの現実が、どうしても私には納得できなかった。 (講談社 山岡荘八著「小説太平洋戦争」1巻より引用)

小説の冒頭にある解説にて山岡氏はこのように記していますが、こういう考えを持った作家の本だからこそ、安心して読み進めることができるのでしょう。前述した私の持論というのも、この小説の影響を多く受けているかもしれません。

今年は数年ぶりに最初から読み返しているところ。特にミッドウェー海戦の惨敗以降は涙なしでは読めない本ですが、太平洋戦争に関する書籍をお探しの方はぜひ候補に入れてみてくださいませ。物語全体のスケールの大きさにも圧倒されると思います。

20:37 | デイリーライフ> 時事 | | コメント (2) | トラックバック (0)
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COMMENTS
Kirappy [2006/08/18 09:27]

▼Passyさん
そうなんですよね。むごたらしい太平洋戦争の話は避けたくなりがちですけど、何があったかを知っておくのは大事だと思います。たった60年前の話ですものね…

この本、戦前から終戦までバランスよく書かれているのでおすすめです!9巻あるので読む時間と置く場所に困らなければぜひ(^^;

Passy [2006/08/17 22:39]

靖国参拝の是非はともかく、終戦の日に改めて戦争について振り返ってみる必要はありますよね。
ちょうど電車で読む本を探そうと思っていたので、候補に入れておきますね。

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ありがとうございましたm(_ _)m




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